ワタナベ曹長のキャラが何度見ても、複雑でとても興味深いです。
ルイに対するシンパシーはきっと本当なんでしょうし、もしかしたら非行に走った頃の彼が見えたのかも。
華々しいオリンピック選手としてのルイに対する羨望と嫉妬から嫌がらせを繰り返していたように、彼から希望が失われるのを願っていたような視線。ルイが自分と同じ場所に来るのを願っていたことで、安心を得たかったように見えるワタナベを、MIYAVIさんはとても真摯に演じてくれていましたね。
特にルイに分かるように英語で話していたとこや、崩れ落ちて日本語を喋ってしまう場面とか、ここぞの時に使う言葉の温度差も素晴らしく、戦後のルイに会おうとしない気持ちもどこか納得です。「龍馬伝」最終回の台詞から引用すると、
「眩しすぎる太陽は無性に腹立たしい」
から。
やりたいことを詰め込みすぎてるところは否めないけれど、それでもこれが後世に残るべき映画であり、文献としての価値も備えた映画であることを、ボクは今も確信を持ってお伝えしたいです。
いよいよ今週金曜日に日本で公開されるクリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』。それに合わせて、同作の配給を担当するビターズ・エンドさんが今から8年前(2016年2月)に成し遂げた、日本公開の絶望視を覆して届けてくれた本作を今一度拝見させて頂きました。
公開初日の事は今も鮮明に覚えてます。
長蛇の列に匹敵している多くの人がそこにいて、この映画を観たいと願った人がこんなにいたんだって、東京の映画館でスゴく感激してました。
今も当時購入したパンフレットは持っていて、大事に大事にさせてます。一生の思い出です。
改めて。
この映画の日本公開に尽力をしてくださった配給会社ビターズ・エンドさん、関係各所さん。
無事に映画に会わせてくださり、ありがとうございました!
今週の『オッペンハイマー』も映画館で観ます!