このレビューはネタバレを含みます
その夜の妻は、覚悟を決めた。家族を守るために。
そんな妻を見て、夫も正しいと思う道を堂々と生きる覚悟を決める。
これから危うい時代へと入っていく1930年代の入り口に立っていた日本で、自分たちの…
小津安二郎監督のサイレント映画。
オスカー・シスゴールの短編小説『九時から九時まで』を原作とした小津監督には珍しい犯罪映画。(二丁のピストル、手錠なども小道具として登場する。)
しかし、犯罪映画…
小津監督こんなのも撮ってたのか!と驚かされるフィルム・ノワール。
暗闇と空間を活かした構図、ハットやタバコといった小道具の使い方、和洋折衷な衣装と舞台。どれをとってもキマってる。
サスペンスを観てい…
〇前半はフリッツ・ラングを思わせるような洋風活劇、中盤以降は人情噺。着物姿の女性の頭にハットで両手に拳銃! など違和感たっぷりの演出がただものじゃない感を醸し出していました。
〇煙草を分け与えるのは…
<概説>
娘の治療費を工面するために銀行強盗を犯してしまったある一家。やっとこさ娘に快復の見込みが出た矢先、偶然父親が強盗犯であると知った刑事が来訪する。これが長い夜の始まりであった。
<感想>…
面白かったんだけどミニマル過ぎてそこまでは乗れず。前半の夜の人気のないビルヂングの合間を逃げる岡田時彦と追う警官のシーンは異様な空間描写で中々良かった。そして街並みのモダンさに目を奪われる。スタンバ…
>>続きを読む2021/3/1
海外小説を映画化したこともあり、小津作品では珍しいフィルム・ノワールの片鱗を感じさせる作品。そして、冒頭で描かれる主人公・周二の逃亡劇は勿論、彼の自宅インテリアも洋風のものが多く、…
欲しかったのは娘の治療費。
拳銃強盗事件を起こした男と、その夜の妻。オスカー・シゴールの短編小説『九時から九時まで』を翻案、小津サイレント期の意欲作。
スーツに二丁拳銃、革靴と手錠、割れた曇りガ…