オークションで手に入れた大量の写真ネガを現像してみると
素晴らしい写真の数々に驚き撮影者の素性を探るというドキュメンタリー
その写真自体も劇中多く映し出され
喜び・悲しみ・愛情・哀愁漂う人々や
泣き顔や笑顔の可愛い子供達
風景等についても写真集で見るようなお洒落な物ばかりでとても素人が撮影したものとは思えない
彼女は乳母として働きながら撮影していたことが判明し
昔の雇い主や面倒を見ていた子供達(もう成人している)へのインタビューにより彼女の人生等について探るのだが
皆一様に変わり者で謎多き女性
芸術的な写真を撮っているとは誰も知らなかったと口を揃えて話し
ミステリアスな人物像が浮かび上がり
よく言われる天才と普通の人とはヤッパリ何処か違うのだろうという印象を受けた
また晩年は孤独で寂しい生活を送っていたとのことで
彼女の作品が一枚でも世に出ていれば人生は全く変わり一躍天才カメラマンとして富と名声を得て幸せな人生を送れていたことが誠に悔やまれ…
多くの自撮り写真に彼女の微笑む姿が一枚も無いのが非常に残念であった
【以降少しネタバレ注意】
とここまではよくあるレビューで
視点を変えて私的感想となると…
監督ジョン・マルーフが四万円程で落札したネガが瞬く間に宝の山に様変わり…
監督は純粋な気持ちで調べ始めたかもしれないが
写真集はランキング1位
個展は各国で大盛況
現像した写真も飛ぶように売れているようで
まるで監督のアメリカンドリームに
ヴィヴィアン・マイヤーの話題性は高まるばかり
ブームを作り出す際の色々な関係各者の利益獲得が想像され
更なる彼女の知名度とカリスマ性upを目的とする映画にも感じられ
有名美術館等は彼女の作品を全く評価しないということもあって
若干、金の臭いがプンプンする後味であった(苦笑)