邦画「さよならドビュッシー」がミステリアスピアノサクセス物語なら、こちらはアウトローピアノサクセス物語か。
女子刑務所内の厚生の一環としてピアノを教えるために赴任してきた女老ピアノ講師。
しかし、一人の女囚人の才能を目ざとく感知し、コンクールを目指す。。
この女囚人がひとクセ強いのがいい。
同じ房の娘が自死した姿を見てもベッドでタバコを平気で吸う。
何かつけて反発が強くダーティーな感じです。
猛獣を調教するかのような駆け引きの中で、築かれていく信頼関係が、一つのスポ根モノの様相ですが、、刑務所だけに中々の日常生活。
二人が抱える過去の出来事が流れこむにつれ、心の闇に焦点が合い、混じり合わない彫りの深さを刻みます。
反面、音楽は自分の表現手段という面と、作曲家の譜面の小世界を伝道するという面もあり、、ある種、折り合わない現実を正面衝突させたのは、好き嫌いが出てきそう。
けど、この映画がアイデンティティーの解放を第一として謳いたいなら、有りかもしれません。