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野火のDAGのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.0
野火だね。
原作は昔読んだ。
戦争。フィリピンでの極限。人間の極限。
この映画はその極限を上手に映し出している。
完成度が非常に高い。
戦争を映像化するにあたり、カットされがちな人間の損傷シーン。
この映画では、そのあたりを上手く視覚化している。
死体にはウジがわいてるし、ハエもたかる。
生きてる日本兵はどんどんボロボロになっていく。
容姿全体ボロボロ。
腹は減る。食い物がない。イモしかない。イモもなくなる。サルを食う。サルしかいない。サルを食う。
リアリティを追求したというより、当たり前を視覚化したようなイメージ。
兵隊1人1人にとって良いも悪いもあるのか。
綺麗事じゃなく、希望でもなく、
反省でもなく、後悔でもなく、
戦争そのものを映像化したんだよ。
塚本監督は構想20年で映画化したそうだ。
戦後70年たってようやく、このような切り口の作品が登場したことに意義がある。
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