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野火のkのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.8
第二次世界大戦中、フィリピン戦線で部隊を追放された男の手記。大岡昇平の超傑作戦争小説の映画化。
主人公の心象風景を反映する”地の文”が映像化できてない分、ダイジェスト感も否めないけど、それでも十分すぎるインパクト。塚本晋也監督がどれだけ原作を研究したことか。
大自然の、むせかえるような生命の氾濫の中で、一際汚く醜い人間。洋画では必ず出てくる”ヒーロー”なんているわけもなく。
観る側に判断も解釈も許さない。極限状況に置かれた人間が何をし得るのか、地獄の追体験をただ強いる。これこそが戦争映画なんだろうな。
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