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野火のmilagrosのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.1
のっぺりとした、リアルなデジタルの質感の映像が、戦争のドラマ性を拒否し、普遍性とさらなる恐怖を付け加えている。

序盤から、塚本監督らしい、不安な描写が続く。反復される行動、揺れに揺れるカメラ、不穏な音楽。

美しい自然の光景の中で、赤い血と肉を撒き散らしながら、人間をやめていく人間たちの姿は、実際に起こったことであり、末恐ろしい。覚悟がないとこんな映像は撮れない。

物語終盤、映画史上稀にみる、緊迫し、現実の人間を捉えた、壮絶な切り返しショットは見逃せない。
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