Millet

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイのMilletのネタバレレビュー・内容・結末

1.6

このレビューはネタバレを含みます

まずこの映画全くエロくはないです。
色っぽいだけで。

この映画めちゃくちゃレビューがわかれたと思う、トレーラーや謳い文句はSM(細かく言うとサブミッシブとドミナント)やエロティックな部分をメインとしているが、中を開いてみるとただの恋愛映画だったからだ。
アナと契約をする為にたくさんお金かけてロマンチックな演出をしてくれるクリスチャン。
それに対してアナは普通の恋愛感情を持ち、クリスチャンや彼の性癖に対しては、映画の最後まで理解されなかった。

普通の恋愛感情しかないアナはイケメンお金持ちのクリスチャンに性欲と、愛して欲しいという女としての欲求だけがあり、彼が縛ったりするのはセックスに対するほんのスパイス程度の考えだが、
本来のサブミッシブとドミナントは必ずしもセックスをするものではない。家具扱いだとか、呼吸管理だとか、そういうディープな世界の性癖に対する名称なので、こんな『花より団子』みたいな展開で「ふーん、おもしれー女」なんて言いながらイチャイチャするなんてのはあり得ない。

クリスチャンはアナの未熟な理解も時間をかければ調教できると思って近寄ったのかもしれないが、アナにはマゾヒズムのかけらもなかった。

SM界隈にどっぷりつかってる人らはまず、手首を縛られる程度のことをSMだなんて思わない。プレイの中でそういうシーンもあるかもしれないが、手首を縛ってセックスをしただけではまずSMとは言わない。
ラストの鞭打ちシーンも、え?それだけ?
である。
要するにドミサブプレイなんて全く描かれていないし、SMすらまともにされなかった。広告のミスリード、この映画を作った人にはディープな世界に対する理解が全くなかったのでは?と思う。私自身原作未読なのではっきりと言えない。

つまり
クリスチャンは普通のセックスが出来るならサディストやドミナントを名乗るな!
或いは、
アナは理解出来ないと別れを告げるくらいならノーマルな性欲だけでこんな世界に足を突っ込むな
である。

結局クリスチャンは最初から最後まで孤独なまま欲求も満たせず。アナは恋を期待して恋叶わずで、お互い欲求不満なまますれ違って終わりだ。

こんな作品のどこが“エロい”のか。
ヌードや喘ぎ声があればエロいと思うなんてのは単純すぎやしないだろうか?
Millet

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