感情を整理仕切って順序よく取り計らえての別れはそうそう無い。
喪失感は、ゆっくりと残されたものを蝕んでいく。
不在を認め、やがて心が悲しみをときほぐすまでの物語。
泣けない自分にも愛はあったのか。
答えを求めて目についたありとあらゆるものを解体しながら答えを探し求める夫。
終盤明らかになる妻側の秘められた事実と以前不明なままの心のうち。
ラスト、やっとひとつだけ、車内からひらめき落ちるメモからわかる、妻からの矢印。
晴れの日だけでいい、私を思い出して。
あまりにいじらしい妻に対し、無関心の許しを乞う機会を永遠に失ったことが、愛の不在を疑った男への罰になった。
受け手の席が空白だと自分の感情さえわからなくなることあるよね。
人の感情は相互作用で作り上げられていくものなんだなって思いました。
邦題に惹かれて鑑賞したが、翻訳はちょっとズレていて物語のノイズになってるのが残念。