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雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのodyssのレビュー・感想・評価

2.7
【脚本が吹っ切れていない】

主人公の銀行員(ジェイク・ギレンホール)は妻の運転するクルマに乗っている最中、事故で妻を失う。彼自身は助かった。勤務先の銀行の経営者は妻の父である。事故後の主人公は娘を亡くした岳父の意向を気にしつつも、何とか仕事を昔のようにこなそうとするが、徐々に何かが狂ってくる。そんな中、偶然に幼い男の子をかかえたシングルマザー(ナオミ・ワッツ)と知り合って再生へのきっかけをつかんでいく・・・

というのが筋書きだが、どこか納得しかねる部分が残る。
主人公は亡くした妻を想いながら生きているという建前なのだが、妻と本当の愛情で結ばれていたのか、必ずしもはっきりしない。
シングルマザーとの交流も、恋愛ではないということになっているのだが、それで観客がうなずけるかどうかはまた別で、妻の実家と主人公との関係も含め、脚本全体に何となく吹っ切れないものが感じられる。

主人公にとって妻との愛情はニセモノ、妻の実家は桎梏だったから、シングルマザーと一緒になって人生をやり直すという筋書き(このままでもそういう風にも受け取れなくはないが)をはっきりさせたほうが良かった。
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