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雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのピのレビュー・感想・評価

4.0
身の回りの全てのものを破壊していく中で、妻の死に対して何も感じられなかった自分の中に何が足りなかったのかを見つけようとする話。
直接的な関わりがなくても話を聞くだけで涙を流す人もいる中でなぜ自分は何も感じられない?涙がでない?でも日々を生きていく中で彼女をふと思い出すことはたくさんあって、愛していなかった訳ではないはず。だからこそ知りたい、でも怖い。そんな思いがひしひしと伝わってくる映画だった。
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う。このタイトルの意味、そして彼に足りなかったものに気づいた時、ブワッと込み上げるものがあって涙が止まらなかった。しかもそれにデイヴィス本人と一緒のタイミングで気づいて、一緒に泣いて、どうしようもない気持ちと後悔でいっぱいになれるのがすごく、良い。遅くて、もう戻れない。でもこのもう戻れないという気持ちを噛み締めて、一歩進めたということが何よりも彼が成長できたという証になったと思う。
彼のかけっこは、もう独りよがりのかけっこじゃない。
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