saki

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのsakiのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

突然の事故で妻を亡くした夫デイヴィスの、喪失、破壊、再生の物語。個人的には、とてもいい作品だったと思います。
デイヴィスは、妻を亡くしたのに何も感じることができず、最初は、妻を愛していなかったからだ、と思う。でも、だんだんと普段気にならなかったいろんな周りのものが気になり始め、"目に映るものはすべてメタファーだ"と思い始め、いろんなものを分解したくなり始め、いろんなものを壊したくなり始め…
一度失ってみないと、壊してみないと、何も感じることすらできなくなってしまっていたデイヴィスの心ですが、だんだんとその心を取り戻していきます。
そして最後に、自分は確かに妻を愛していたことに気付き、涙を流します。デイヴィスが心を取り戻す瞬間です。その時見つけた妻の手書きのメモに、"雨の日は会えない、晴れの日は君を想い出す"と綴られています。

忙しくて淡々と過ぎていく日々で生活も乱れて心も荒れてしまうような雨の日は愛を忘れてしまうこともあるけど、そのあと、たくさん雨が降って、地面もずぶ濡れになって、空を覆っていた厚い雲がなくなって、忙しさや不安、ストレス、いろんなものから解放されて心も晴れた日には、愛を想い出すことができる、ということなのかな?
雨の日でも晴れの日でも、愛を忘れないでいてほしいし、忘れたくないけどなあ(笑)

子役の男の子と主人公が関わっていく場面、とても好きでした。
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