Tai

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのTaiのレビュー・感想・評価

4.0
彼は妻を愛していたのか…?

交通事故で妻を失ったデイヴィス。
悲しむ周囲や、お悔やみの言葉をかけられるのに反してデイヴィスは悲しみを表に出しません。
しかし、日に日におかしな行動をするようになり、最初は愛する人を突然失ったショックだと見ていても、エスカレートしていく彼の奇行に周囲との溝が…

これはジェイク・ギレンホールでないとできない作品だったのではないでしょうか⁉︎完璧なハマり役ですね!他作品でも何を考えているか分からない男ですからね!笑
冒頭の鏡の前で泣きそうな表情からスッと真顔に戻るという場面!悲しむ周囲の真似でもしてみるけど「馬鹿らしい」と言わんばかりのデイヴィスの心に悲しみが無いということがよく分かるカットでしたが、頭おかしい系の演技で高レベルな彼だからこその演出となっていたのではないでしょうか。

映像的な演出も興味深くて、1カット1カットが短いんですよね。
ポンポン変わっていく映画の中で、さらに瞬間的にサブリミナルのように突然挟まれる妻の映画。
これによって、その後の奇行に次ぐ奇行を繰り返すデイヴィスなのですが、もう最初からそういう男だったんじゃないの?と思わされながらも、もしかしたら本当に愛する人を失ったショックでおかしくなったんじゃ?と彼の事がどんどん分からなくなっていくんですよ。
物語って進むにつれて主人公のことを理解していうものだと思うのですが、この何だかよく分からなくなっていく過程がラストにしっかり続いていて、非常に気持ちのいい流れでしたね◎


原題の『Demolition(解体)』とあるように、一度、全てをバラして見つめていく。
自分を見失いそうな時には必要な事かもしれないと考えさせられる作品でした( ´∀`)b
Tai

Tai