「人生とは食べる旅」
私は自分で料理を作る。
でもその食材がどんな風に
どんな人に育てられたかまでは知らない。
知らないままに買う。
それが平気な人間は都会で暮らし、
平気ではいられない人が自給自足で暮らしていく、それだけ。
その言葉にとても納得した。
自分の口から体内に入り吸収され栄養になって自分の体を作るもの。
それを知らずに生きていること、
知ってしまったらきっと平気ではいられないだろう、
だから目を瞑る。
食べることだけに自分の時間を全て費やすことはできない。
だから楽をする。
それが裕福なことだと恵まれたことだと思っていたけど、
本当はそうじゃないのかも、
自分の体だけではなく、
そこから生まれる命、
子々孫々まで受け継がれるもの。
そこまで見据えたら、
人はとっても貧しくなっているんじゃないかと思った。
葉のついたままの果物野菜、
人の手で丁寧にこねられる小麦、
家族で円卓を囲み、大皿で分け合う食事。
美味しそうな食べ物とともに、
淡々と食について語る人たちが映されるだけの映画。
この地球で生まれたということ。
個々では意味を持たない。
人と食は同じ。
シンプルで美しい。
せめてもっと丁寧に料理しよう、そう思った。