emily

ローズの秘密の頁(ページ)のemilyのレビュー・感想・評価

3.5
赤ちゃんを殺した罪で精神犯罪者として40年もの間病院に収容されているローズ。ローズは自分の罪を容認しておらず、聖書の中に日記を書き続けている。そんな彼女の元に医師が訪れ、人生を語り始める。


美しい音楽、陰影から浮かび上がるローズの表情。若い時のローズを演じたのはルーニー・マーラー。純真な女性の中に見え隠れする色気、美しさが仇となり次々襲いかかる不運の中、見事に不幸な女を演じきっている。

時代を感じさせる風景、文字と交差していく過去、浮かび上がっていく、真実と純真な愛。ルーニー・マーラーのファッションも可愛く、瞬間で終わるしあわせな時間は永遠に響き続けている。

ストーリーはシンプルだが、ルーニー・マーラーの美しさが罪となり、巻き込まれていく不運の中で翻弄されていく姿が見事だ。だからこそ物語に深みがもたらされ、引き込まれる。


幸せはたった一瞬。しかしその一瞬は永遠になる。その後の人生が辛ければ辛いほどその一瞬は永遠になるのだ。一瞬であっても幸せを感じれる時間があったから、人は生きていける。
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