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世界一キライなあなたにのlaszloのネタバレレビュー・内容・結末

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2015年 アメリカ 監督 テアシャーロック

順風満帆な人生を送っていた男がバイクに轢かれて車椅子生活になる
以前のように活動出来なくなった男は塞ぎ込んで周りの人達にも辛く当たる
勤務先のカフェが閉店するため解雇され無職になった女性は父親も失業中で余裕がなく働き口を探す
そして男の気難しい性格のため今まで誰も長続きしなかった車椅子生活の男の介護士の職にありつく

女性の天然で明るい性格が氷のように閉ざされた男の心を次第に溶かして行く
外出することも拒んでいた男を旅行に連れ出したり元カノの結婚式にわだかまりなく出席させたりする

しかし男には固く揺るがないある決心があった

男の最終決断には全面的に賛成です
男の尊厳ある決断に寄り添えないで一時の感情で男の元を離れてしまうような女性と一時の気の迷いで一緒に生きることを選んでいたらもっと辛い人生が待っていたでしょう

長年付き合っていた彼氏と恋心が芽生えていると認識しているであろうと思われる時期の男を一緒に自分の誕生日に招待すると言うデリカシーのなさにも違和感がありました
長年付き合っていた彼氏を最後にあんなに簡単に振ってしまうならしょせん男との関係も金の切れ目が縁の切れ目であると思われても仕方がありません
最後に男が留学費用を援助した手紙も蛇足に感じました

感動するべき名作なのに冷めた目でつまらないところに注目して申し訳ありません
現実に置き換えて考えるとどうしても感動の名作とは思えませんでした

尊厳死については常日頃から許されるべきではと考えてます
人間には死にたい時に死ぬ権利があると思います
肉体的に回復する望みがないのならそしてその状態で生きることが精神的に耐えられないであろうと思われるなら
しっかりとした判断能力があるうちに(この状態をどう判定するかそして閉ざされがちな環境の中で事件性をどう判断するのかは難しい問題ですが)自分の意思で自分の命を絶つ権利はあるべきと思います

単純な恋愛映画でなく色々と考えさせられるという意味では良い映画でした

2022.4.6追記
尊厳死と安楽死を間違って使っていました
延命はしないけど薬を使って死期を早めるのは安楽死と言うようです
いずれも寿命をのばすための延命治療を放棄するという点では同じです
しかし尊厳死はあくまで自然に尽きる寿命を変えずに残りの人生を自分らしく生きる選択をするということでした
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