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世界一キライなあなたにのazuのレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
4.5
Me Before You

身体の中の涙が全部入れ替わるくらいには泣いたかもしれない。
見始めたとき、よくあるやつね、
そうそう、最初は仏頂面な彼が少しずつ心を開いていくあれね、
なんてのんきに考えていた。

そんな能天気な自分の予想とは裏腹に
展開は苦しいものだった。

いわゆる尊厳死を扱った作品。

突然失業してしまったヒロイン(ルー)が
たまたま見つけた期間限定の介護の仕事。
そこで出会ったのは事故により四肢麻痺で苦しむウィル。
天真爛漫でお洋服が大好きな彼女のおかげで
徐々に笑顔を取り戻していくウィルだが
実は半年後に自殺をすると決めていた。
それを知った彼女が、ウィルの決断を覆すために奮闘するラブストーリー。

ヒロインが底抜けに明るくて面白くて
だからこそ、切なかった。


ルーが苦しむウィルの笑顔を取り戻そうと
競馬やコンサートに連れ出すシーンや
ベットサイドで「何か楽しい話をして」と
会話する姿。

私はこういうのにめっぽう弱く
ウィルが「僕がどんなに君を抱きたいのか君にはわからない」なんて
言ったときには、心臓が胸のなかでしぼんで消えちゃうのではないかと
思うくらいに胸がきゅっと締め付けられた。

世の中にはたくさん愛を語る作品があるけれど
この手のものは本当に切ないし、それなのにどこか笑わせてくれるしで
この先も大事にしていきたい作品だと思った。

邦題の「世界一嫌いなあなたに」が見終わってから
改めてみると2倍にも3倍にもじ~んとくる作品でした。
(お気に召さない方もいるみたいだけど…コソッ)


スイスの窓から見たのはどんな景色だったんだろう。
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