せーや

クリムゾン・ピークのせーやのレビュー・感想・評価

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
3.7
女子の皆さん、朗報です。
トム様のオシリが見れますよ。

20世紀初頭のアメリカ、ニューヨーク。
実業家の娘で作家を目指すイーディスは
父の会社にやって来た英国貴族トーマスと出会う。

サッドホラー(勝手に命名)の代表格デルトロ最新作。
もともとデルトロの監督作は映像美で有名ですが
おそらくこれは彼の作品史上最も美しい作品でしょう。

悲しげな画にゴシック要素を加えることで
いつもより美しさは倍増。
その象徴が、タイトルにもなってる「クリムゾン・ピーク」。

冬になると赤い粘土が地表に染みだし
血のような真紅に染まるという地。
そしてその地にそびえ立つ巨大な屋敷。

デルトロは作品に合う屋敷が見つからず
結局、一から作っちゃったそうです。
これもハリウッドの力ですよねえ。
ユニバーサル様様です(笑)。

さて、もう少しライフラインが整ってて幽霊がいなかったら
住みたくなってしまうような屋敷ですが
肝心のストーリーはどうでしょうか。

デルトロとしては、いつも通りかな?
もちろんサッドホラーメイカーとしての
彼の物語は凄く好きなんですが
映像美以外に、そこまで目新しさが無いのが残念。

でも。好きでしたね~。

父を亡くし全てを失ったイーディスは
素性もよくわからないトーマスと結ばれる。
そして不穏な屋敷にたどり着いてからは
トーマスと姉ルシールの隠された秘密に
彼女は気付き始める。

そこには残酷で、悲しい真実が。

デルトロは幽霊を
決してただのバケモノとして扱わない。
幽霊が何故、幽霊となったのか追求する。
でもね。デザインが怖いよ、デルトロさん。

どこか陰のある英国紳士トーマス役は
我らがトム・ヒドルストンです。
相変わらずこういう役柄が似合いますが
ロキ以降「陰のある男」イメージが定着してないかな?
コメディとかやってほしいんだけど…(笑)。

そしてヒロイン、強き女性イーディスには
どうも幼さが消えないミア・ワシコウスカ。
未知の世界に一人嫁いで
真実を暴くという強さを持ちながら
儚さや弱さも残るヒロインを演じています。

さらに今回の目玉、トーマスの姉ルシールには
好き嫌いの分かれる顔を持つジェシカ・チャステイン。
ちなみに私はミアよりジェシカのが好きです。
今まで見たことのない今回の役どころは新鮮。
抑揚のない話し方に虚ろな目、そしてラスト。
Mな男子諸君にオススメではないでしょうか。

パンズ・ラビリンスを見たときほどの衝撃はないけど
美しい世界観やセリフ、そして悲しいストーリーは健在。
せーや

せーや