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ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~/嵐が丘のNTKのレビュー・感想・評価

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良ッッッッッッッ?????!?良過ぎ、どこまでも静謐で無駄がなく削ぎ落とされていて、カメラを通して五感をフルに刺激し、登場人物の“目線”を通じて見て嗅いで触れるような圧倒的なカメラワーク、ブレやぼやけのピント調節が人の目のような役割を果たしているのもすごい
ストーリーはキャシーとヒースクリフの幼少期がしっかり描写されていたのが良かったな〜、特にヒースクリフは途中で姿を消すし、再度家に戻ってきた時には全てがどうにもならない状態なのでキャシーとのあの「思い出の日々」が描写されるのが丁寧。ヒースクリフ自身が感情を表に出さない、出てきても激情のような感情が多い…のような雰囲気が俳優の圧倒的な演技で表現されていたのも凄い…、差別や心無い言葉がヒースクリフを傷つけ、キャシーから遠ざける。アーンショー家がずっとボロボロで徹底的に寒そうでなのも作品全体の荒涼とした寒々しさがこちらにまで浸食してくるような雰囲気があった
原作は未読だけれど、1939年版の嵐ヶ丘では死してついにキャシーと一緒になれるラストで、原作では1人で衰弱していくように亡くなると書いてあったけれど、このラストのヒースクリフはアーンショー家を相続したものの彼自身がもはやこの世にどことなく存在できないような雰囲気で終わるのが物悲しくも素敵だった、悲しい終わりがきっと訪れるのだろうけどどこかすっきりした余韻が残る良エンディング
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