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カリートの道のヒューのレビュー・感想・評価

カリートの道(1993年製作の映画)
4.2
『スカーフェイス』のブライアン・デ・パルマ監督が描く、もう1人の男の人生。トニー・モンタナとは真逆を行く男、カリート・ブリガンテの生き様とは。

オープニングからオチを見せつけてきて(???)状態になったけどこれが効いてて逆に色々と考えてしまうようになっている作りは流石の一言。マフィアの世界ならではの義理、裏切りと足を洗おうとするカリートを阻むものがありすぎてハラハラするし可哀想にも思えてくる。凶暴性はそれほどで人間味も溢れてる主人公の魅せ方が本当に上手くて中盤にはすっかりのめり込んでました。恋愛描写も疎かになっておらず結構ストーリーに絡んでくるのがまた良き。

逃亡劇や撃ち合いも同じくデ・パルマ監督作の『アンタッチャブル』から更に磨きがかかったように感じて『ヒート』に劣らないほどの緊張感があり、非常に見応えある場面でした。(銃撃戦のリアルさに関しては圧倒的に『ヒート』の方が上だが)。結末は分かっていたけど想像を遥かに超える切なさ。エンドロールの選曲も絶妙だわ。

ヤク中かと思うくらい気の狂ったショーン・ペンの演技にも称賛を送りたいですね。彼の演じるデヴィッドが作品をより奥深いものにしていたと言っても良い気がします(笑)。

前半こそやや物足りなさを感じたもののそれを一気に取り返してくる後半で総合評価は◎
マフィア映画をあまり観たことない人にもオススメです。
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