ラストシーンが冒頭で分かってしまうという、なかなか珍しい作り。
獄中生活を経て真っ当に生きようと決めるカリートだが、それまでの人間関係からそれが許されず、断ち切れず、望まない末路へと向かう。
これまでの人生の中でどのような人間関係を築いてきたのかで、進む道は変わってくる。
戻れないところまで来てしまっていたら、やり直しすら難しい。
マフィアの抗争がベースにあるけれども、人の普遍的な生き方を説いており、学ぶべきところは多数ある。
邪な心と地味なプライドは、悪い方向にいくことが多いと感じる。
他人の芝生は青かったり、これまでの経験則の方が判断材料としての優先度は高く、未知の領域や、まず接点のない人たちから教養を得るということができなければ、結局自分が心地よいと思えるゾーンから抜け出せない。
カリートの道は、出所したてでは多くの選択肢があったはず。だけれども自分が望む道ではなく、他人が望む道を選択してしまった。
自分の人生は自分で決めますか?他人が決めますか?
壮絶なラストに、最期を迎える時は、
我が生涯に一片の悔いなし
と高らかに拳を上げて心の中で呟きたい、という気持ちに駆られた。
※今気づいたんですが、脚本がデビッド・コープ!そりゃ好きな感じなわけだ。