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ダイバージェントNEOのJIZEのレビュー・感想・評価

ダイバージェントNEO(2015年製作の映画)
1.5
超異端者がアブノーマルな決断を拒む人気YA小説の続編SFアクション第2弾!!敗因は陳腐な箱の全貌と平和シュミレーション機能の既視感!!硝子を突き破る視覚効果も旧式!!最後の総括で最悪な事態が勃発!!駄目だった..諄い脚本..そっちに話進めたかぁ..な最低限度の期待を裏切られ同時に更なる続編第3弾に底知れぬ不穏な余韻を抱いた..最近観た『ファンタスティックフォー(2015年)』以来,最短で地雷記録を更新。ちなみに本作でも前作に引き続きマイルズテラー君は続投。鍵を握る人物です。話自体は前作から近い続きで逃亡生活を送るトリスたちが異端者を排除する理由を突き止めるべく奔走するって興奮度的には最高な題材である筈がその真実の辿り着き方が衝撃で裏切られた。では先に全体像の結論を述べれば...秩序を脅かす脅威的な異端者の捕獲を念頭に核を置き過ぎた為か前作の端的な上書き感や機動性の脆弱さを浮き彫りにさせ全編に渡り拭い切れない場面や人物言動の連続。要はどこかで見憶えある人物配置,場所,世界観,攻防,目的,結末など既視感全開な前作を劣化させたお話です。1年前の前作『ダイバージェント(2014年)』で積み上げた基盤のブラッシュアップも比較的に生温い。要は前作の大部分を通じ魅力であった性格診断テストで分類する5つの共同体システム,要は個性を持たせる派閥自体の意義を続編では一種上辺的な扱いで辻褄合わせに処理され異端者を炙り出す前提で前作から継続する細部の感動や熱狂出来るYA小説特有な応援したくなるアツき場面も続編では8,9割削ぎ落とされない。作品の良き部分を1度崩し(超)異端者の捕獲に全要素を集約した結果,本末転倒な平等性の有意義やコミュニティ団結など作品持ち味である退廃的な世界を変革する絵的なアクション等通じた魅せ方も縮小化され1番のド派手が列車に轢かれる瀬戸際じゃだめじゃんよ。特質新たな技法を絵的に持たせる訳でもなく。だから前作で盛り上がった場面を全て異端者のディストピアン世界を創造する為の敵思惑としか描かれない。あと敵の目的達成迄に至る遠回り感も抑揚がとにかくゼロ。でコイツは自分が全く動かず手下を通じ目的達成を図るスタイルだからキャラ魅力やコイツの発言してる事に少しは感情移入を持たせる余地が一切ない。キャラ造形の曖昧さを抱かざる得なかった。己に従事しない奴は暴力や権力で徹底的に排除し従事する者には手荒な秩序という美化された言葉で洗脳し組織下の形成に組み入れると要は敵が掲げる理想像の素晴らしさを微塵も感じないのは製作側の深刻な問題だと思えた。

概要。ベロニカ・ロスの人気ヤングアダルト小説を基にシャイリーン・ウッドリー主演で映画化した大ヒットSFアクション『ダイバージェント(2014年)』のシリーズ第2弾。監督は前作のニール・バーカー監督に代わり『RED レッド』のロベルト・シュベンケが担当。共演には『セッション』のマイルズ・テラー。『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。また新たに参加した『21グラム』のナオミ・ワッツ等が名を連ねた.........

では話を内論に戻し,総括的に考え何故このような前作より退屈さを増しダラダラ感が悪立ちする作品に陥没したのか..前作で両親の死により思い知る真の世界観やトリスの決意が表現幅あり題材的に成功に向かう続編な筈が..前半の前作から引き続く政府側から逃亡生活を続けコミュニティに紛れ込むが拒否されたりワンクライシスある展開はYA映画ぽいなぁ..とディストピアンな滅亡を漂わす退廃化が世界に蔓延し生き抜く事に人々が生活の重きを最優先に置き日常が緊張味を帯びる暗的な雰囲気は好みだし次の新たな転調に展開的に導けた筈なんだが。トリス含め異端者側の逃亡生活と政府側の追跡側の対比の均衡度も危険度がイマイチ把握出来ずどの地点まで主人公たちは追い込まれどの程度まで心理的に追い込まれた状態⁉︎..とか近未来を促す割に軍用機や足で出向く敵側の原始感など世界観のやってる事と言葉で実際に喋る敵側の整合性が取れないアンバランスさも製作上で苦慮した部分なのかイマイチ画面に呑めり込めず安全区域や危険区域を仕分けれない作り込み浅さ故の浮遊感が生じ曖昧。世界観の描き込みの杜撰さは完璧に否めないよ...

また生前にトリスの両親が命懸けで守り抜いた"箱"の陳腐感も結局ソコに着地するならダダ長く過酷なシュミレーション試験に時間を割く必要性を感じなかった。単純にあの一連流れは映画的に必要でしたか..とにかくダラダラ鈍重に会話過多で世界の秩序を通じた理想的な在り方や異端者の稀少的な概念を客目線を無視でガンガン描く為にアノ地点で完璧に興味が尽きた..噴飯物です。だから構成上で異端者の捕獲に全醍醐味を集約するなら本シリーズ持ち味である"疾走感ある近未来を切り取る葛藤"を提示しないと。また脳内で体験するシュミレーションで終盤のクライマックスを全て費やした為,抑揚や親近感は疎か完璧に最後は悪しき脚本が暴走しました。敵が世界のイビツな理想像を提示するならユートピアな反乱勢と一種闘いを交え派手さを感じさせないと事態が集結した感もだし何かが突発的に生じ突然事態が集結しました..な余地を持たせる描き方をこの作品はしていない。突飛な会話で単に右往左往し秩序の意義や箱の秘密,シュミレーション試験の格好良さ"げ"な膨らませ方..全てダサいよ..アノ結末も明確な結論とは思えなかった。別次元の別次元とかインセプション感を各階層を通じ醸すかと思えばスローテイストなマトリックス演出で硝子を波動的に突き破り格好良さげな演出も既視感バリバリで描き前作から続く持ち味かつ切れ味を一向に魅せてくれない。個性を多様な派閥に分類させそれぞれの闘い方が価値観や気質で元来その重要性を謳うならなら絵的にダサくてもソコを忠実に描き切らないと。全てが知らず知らずの内に解決され躍動感は疎か失速感をゴリ押しする為か後半は完璧に感覚が麻痺した。脳内シュミレーションで近未来ゴッコがしたいんならB級低予算な枠組みで好き放題やって下さい。あと邦題問題も何故忠実に『インサージェント』に決めないのか..いい加減にして下さい。宣伝文句をメタに返歌すれば"偽りの脚本を破壊せよ"だと思う。この映画に真のエンディングを付加するなら異端者を捕らえ封印を解く為に過酷な躍動感ないシュミレーションを課すんじゃなくトリス達が実際に異端者の同志たちと敵本拠に乗り込み自らの手で異端者の存在を肯定させ未来(希望)を掴む!!自動的で主体的な主人公の言動に重きを置き変革の多様性を多岐に描かないと駄目。存在に秘密が隠されてる事を掘り下げこれじゃ異端者を解剖する凡庸なドキュメタリ映画です。はぁ映画を観て久々に徒労感が襲いました...えっと..続編⁉︎..ご冗談を..満腹です。2度と注文せず拒みます。インディペンデント映画な低予算な枠組み前提で隅の方で上映してて下さいよ。

また近々公開される『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年)』含め『メイズ』シリーズがいかにYA映画で抜き出た部類なのかを再実感!!させてくれる手応えを感じた。本作『ダイバージェントNEO』を期待し観たら完璧にズッコケ確定。箱の全貌やシュミレーション試験の自己対峙を図る外連味,最後に総括する1番駄目な集約演出..全てが前作から劣化し最後の最後で更に絶望...トリス達が列車に飛び乗る序盤で全興味の限界を偽らず高潔な精神で堂々と迎えた..結果的に前作を溺愛するシリーズファン限定では3作目の期待が見込めない及第点な続編を,お勧めです!!
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