バタコ

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のバタコのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

よくできた作品。DVD特典映像で監督が俳優が重要で自分を含めて全員がトムハーディを推したというのは納得。撮影、編集ともにすばらしかった。こんなドラマティックな一人の夜のドライブは観たことがない。英語と日本語吹替の両方で観たが、どちらもおもしろい。
気になったことが3つ。なぜ重要な仕事の直前に「出産の瞬間」に立ち会うことにそこまでこだわるのか。逃げない、責任をとると何か違う。子ども頃のトラウマ、性格からくる強迫的観念に支配されているような気がした。はじめは自分の行動に責任をとる立派な人だと思ったが、仕事のトラブルが頻発しぎりぎりで回避できたはいえ常軌を逸している行動であることがわかる。また、あと1日仕事を全うすればせめて仕事だけは捨てないでもよかった。二つ目、妻が夫の仕事に必要な電話番号を教えなかった。絶望してたとしてもそんな子どもじみたまねを大人ができるだろうか。三つ目、不倫相手がほぼ会ったことのない相手に「愛している」と言えと強要するところ。40歳代で愛されていない相手の子を出産し育てるという状況が理解できておらず、感情だけで知性がない。こんな40代の大人がいるんだろうか。
このあと主人公はまともな職につけず、復讐心しかない元妻と泥沼のようなけんかが続き、子どもたちは離婚で心に傷が残り、愛していない不倫相手と結婚しなくても残りの人生を過ごさなければならない。産まれた子どもを愛することができるのか。地獄だな。
理性がたりない大人3人が繰り広げる不条理ドラマ。映画としてはおもしろい。けれど、この3人に共感できるかで人によって評価がかわる
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