いの

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のいののネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞。
全編車内かつ会話は独白と電話での会話のみ。

トム・ハーディの演技力だからこそもった映画ともいえる。
とにかく主人公の行動に何ら一貫性がない。”間違いを正す”という理由でのみ、彼はロンドンへとひた走るわけだが、妻や仕事を捨ててまで向かう相手のことは「愛してない」とはっきり明言してしまう。愛してないのであれば、間違いを正すとは…?

この部分は主人公が向こう側へ足を一歩踏み入れているために、支離滅裂で一貫性がないように見せているのかもしれないが、そのせいで主人公のどの部分にも感情移入できず、傍観者に徹するしかない(あるいはそれが監督の狙いかもしれないが)

浮気相手の妊娠も、妻にぎりぎりまで隠し(破水したから告白したのであって、産む直前まで言うつもりがなかったのはどうなのか)
父親の幻影と話す中で、とにかく自分の行為を正当化しようとする姿に疑問符が湧いた。

結局どの伏線も回収されず、物語は暗い道路の向こうに投げっぱなしにされ、惜しいという印象しかなかった。
いの

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