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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女のYYamadaのレビュー・感想・評価

2.9
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品2️⃣)
ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 (2017)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: トム・クルーズ
・監督: アレックス・カーツマン
・製作費: $125,000,000
・興行収入: $409,104,837

◆オリジナル作品 (リメイク元)
ミイラ再生 (1932)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・製作費: $127,000

◆比較作品 (リメイク作品1️⃣)
ハムナプトラ/失われた砂漠の都 (1999)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: ブレンダン・フレイザー
    レイチェル・ワイズ
・監督: スティーヴン・ソマーズ
・製作費: $80,000,000
・興行収入: $415,000,000

〈リメイク作品のポイント〉
・世界観の拡大による、新たな
 作品ユニバースを構築
・「スターシステム」の採用により、
 集客力を拡大

〈見処〉
①ハリウッドによる「スターシステム」
 リメイクの失敗作
・『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(原題: The Mummy)は、2017年に制作されたアドベンチャー映画。
・本作の舞台は、古代エジプトからスタート。王位継承順位第1位にあったアマネット王女は次期女王になる約束を裏切られた怒りから闇に堕ち、生きたまま石棺に封印されてしまう。
・それから2000年後。現代のイラクの戦闘地帯で石棺が発見される。発掘に立ち会った米軍関係者ニック(トム・クルーズ)は、考古学者のジェニーらとともに輸送機で石棺をイギリスに運ぼうとするが、その途中でトラブルが発生。ジェニーは脱出したものの、ニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺が行方不明になってしまう…2000年の眠りから目覚め、人類への復讐を開始した古代エジプトの王女と、飛行機事故による死からよみがえり世界を救うべく立ち上がった男の戦いを描く(eiga.comより抜粋)。
・本作は『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』でもリブートされている1932年の古典ホラー『ミイラ再生』を、新たな映画シリーズ「ダーク・ユニバース」第1作目として再構成されたアクションアドベンチャー。
・監督はトム・クルーズ主演作『Mi:III』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の脚本家、アレックス・カーツマンが務める。
・ハリウッドのトップスターを配し、多額の製作費を投下した本作。興行面は黒字化なれど、批評面は「既視感ある映像ばかり」「昔ながらの題材を浪費している墓荒らしのような作品」「トム・クルーズ史上最低の出来」と酷評。ユニバーサル映画とトム・クルーズにとって「黒歴史」としたい作品である。

②ダーク・ユニバース
・本作の製作・配給のユニバーサル・スタジオは、1920年~50年代にかけて『ノートルダムのせむし男』『オペラの怪人』『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』『ミイラ再生』『透明人間』『狼男』『大アマゾンの半魚人』など、数多くのホラー作品を手掛け、人気と知名度を得てきた。
・これらの作品群は「ユニバーサル・ホラー」と総称されるかつての「ドル箱コンテンツ」。ドラキュラ・フランケンシュタインの怪物・狼男など「金のなる木」を再終結させ、シリーズ化させる構想は『ヴァン・ヘルシング』(2004)の興行不振により、暫くは頓挫していたが、ディズニーによる『アベンジャーズ』シリーズの成功により、
ユニバーサル・スタジオが新たに企画化したのが本作。
・本作冒頭のユニバーサルのロゴのあとに初めて登場した「ダーク・ユニバース」であるが、本作の興行面の失敗により、第二作『透明人間』を最後に企画は停止。
・1950年代にユニバーサルをトップ配給会社に押し上げた当時のキラーコンテンツも時代の流れには逆らえないようだ。

③結び…本作の見処は?
壮大な構想のもと始動するも、不人気ですぐに頓挫。「少年ジャンプ」の不人気連載作品のような末路。

○: トム・クルーズ主演作品として、彼自身によるアクション・シーンや、冒頭30分の冒険劇は、ハリウッド大作としての作品質を維持している。
×: 中盤から登場するミイラかゾンビかわからぬモンスターの出現から、グダグダのホラーアクションが延々と続き、作品が単調に。睡魔との戦いとなる。
×: 「ダーク・ユニバース」第一作として、登場する、ラッセル・クロウ扮するジキル博士のクダリが物語を散漫とさせる。

〈リメイク作品の判定〉ハムナプトラ○
同じリメイク作品の『ハムナプトラ』と比較すると…
演出    : ハムナプトラ○
配役    : ドロー▲
特殊効果  : 本作○
ストーリー : ハムナプトラ○

・本作の強みである「配役」面でも、レイチェル・ワイズを擁する『ハムナプトラ』に勝るとは言えない。
・『ハムナプトラ』も好きな作品ではないが、エジプトのミイラに特化したシンプルな娯楽作品として、同作のほうを評価せざるを得ない。
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