Clara

初雪のClaraのレビュー・感想・評価

初雪(2013年製作の映画)
3.5
イタリア映画祭で鑑賞。原題:La prima nere。
トーゴ湯っしんの難民・ダニが妊娠中の妻と亡命を試みたところ、途中で妻を亡くし、子は無事出産。
子どもに妻の姿を重ね、愛情をかけて養育できずに苦しむ。
彼は養蜂場で働いているが、オーナーの孫・ミケーレは、父を雪崩で亡くしたばかり。
ショックと救援を呼びにその場を離れた母親のせいだと考えていることで、親子関係はギクシャクしていた。
ダニとミケーレが打ち解けていく中で、ダニは1歩踏み出すために単身パリ移住を決意し、旅立ちの日に、ミケーレをある場所連れていく。

子どもにとって身近で大好きだった人の死を受け入れることは、あまりに難しく、彼の母親に対する思いも納得できる。
しかし、そこに母の苦労もしっかり見えた。
新たな恋愛をすることもできず、我が子なのにどうしてあげればいいのかサッパリわからず戸惑う様子が、よく見て取れた。

ダニは自分の決断で最愛の人を失ったと自分をとことん責めていて、娘を愛したいのに愛せない苦しみが痛いほど伝わった。
人の人生を変えてしまう争いは、本当に罪だ。

オーナーがまたいい人だった。
方親の親子を目の前で見えいるのに、自分の子を置き去りにするのか?という確信をついたセリフが忘れがたい。
Clara

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