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イタリアは呼んでいるのCookieMonsterのレビュー・感想・評価

イタリアは呼んでいる(2014年製作の映画)
3.4
スティーブ・クーガンとロブ・ブライドンが自らに扮してイタリアを詩人バイロンの足跡を追いながら依頼されたグルメ記事の仕事をこなす為に、ワインとグルメを楽しみながら旅する即興コメディ

ずっと気になっていた大好きなウィンターボトム作品
元はBBCのテレビシリーズで湖水地方を同じコンセプトで旅したのが第1作のようで、イタリアの旅情の素晴らしさと2人のコメディアンが止めどなく繰り出す英国ジョークとモノマネが肝の、あまり映画である必然性はなさそうな作品

作品のストーリーラインとしては、ローマの休日の中年男性版に近く、仕事や私生活で曲がり角にきた中年男性2人組が英国を追われた詩人バイロンに自身の姿を重ねながら、自らの人生に戸惑い、イタリアの魅力に選ばなかった人生を夢みるものの、最終的には自分たちの日常に帰っていく
ラストシーンでもそれはわかりやすく示され、グレゴリー・ペックを選ばずに公務に戻ったオードリーのように、彼らは英国へ、そして家族の元へ帰っていく

ストーリーラインだけみれば、いかにも男性的な、イタリアっぽいマッチョイズムに支配された作品で、ウィンターボトム作品にしては酷いんだけど、そんなことが関係なくなるくらい、2人の掛け合いが面白い

アル・パチーノやマーロン・ブランドーに扮したゴッドファーザーのモノマネは最高だし、ヒュー・グラントは激似
バットマンのクリスチャン・ベールが何言ってるかわからないの下りは首肯しながら聞き取れない自分を安心してしまったし、歴代007も楽しかった
兎に角映画好きなら楽しめない筈はないし、英国好きならそのアクセントの多様さとジョークのブラック具合だけでも面白い

2人が巡るレストランの美味しそうな料理の数々
イタリアの美しい風景
それらは様々な映画のモチーフにもなっていて、映画に詳しければより口角が上がってしまうこと請け合い

あと今までサッパリ気づかなかったけど、ノッティングヒルのラストシーンは、完全にローマの休日オマージュだったのね、と今更
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