荒野の狼

王妃の館の荒野の狼のレビュー・感想・評価

王妃の館(2015年製作の映画)
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果たして日本人の私達は、諸外国(敢えてヨーロッパとは言わない)に対して、恥じる事の無い国民なんであろうか?
ルース・ベネディクトは、好んで人前で見苦しい振る舞いをする日本人を表して、「恥の文化」と言わしめたわけではなかろう。
しかしながらこういう海外ロケを伴う映画を見るたびに、別に私自身が映画人じゃないにも関わらず、赤面を通り越して慚愧(ざんき)の念に耐えない。とてもじゃないが、なあにあちらさんだって十分みっともない、と開き直って平気でいられない。なんなんだこのお上(のぼ)りさん集団は?
諸外国の人々が、いったいどのような目で我々日本人のことをご覧になられているのだろうかと考えると、恐ろしさと恥ずかしさで舌を噛んで死にたくなってしまう。決して卑下する事はないが、恥のかき方にだって知性と教養、意地や矜持があって然るべきだと思う。無知な私にでさえ「オレの顔に泥を塗ってくれるな」と言いたくもなる。
おフランスの歴史ある室内や景観が、旅行会社のチラシやファミレスのメニューの様に見えてきちゃうのも先方様に申し訳ない。
なんでこんな映画なんて撮るの?小説だけにしておけ、なんとか言えよ浅田次郎。
荒野の狼

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