生永這人

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションの生永這人のレビュー・感想・評価

3.9
シリーズ作品になると、もっともそれぞれに良さはあれど、たいていの場合、オリジナルが一番、などと過去に戻ってしまったり、どうしても比較してしまいがちです。
しかしながら、ミンション・インポッシブル シリーズは甲乙つけるのが難しい、いや寧ろ付けてしまってはつまらなくなってしまうと私は思います。

"トム・クルーズのスタント無しアクション”は紛れも無く本作の人気を加速させていますし、ますます過酷になるアクションと彼の年齢との不釣り合いに、「感動」の二文字では収まらないものを受けずには居られないわけです。

たとい過去作品に戻ったとしても、それは本作との直接的な比較対象ではなく、あくまでも感慨深い物として。そこに優劣はありません。
新作になるにつれて、"impossible"の意味も多義的になり、"不可能"なミッションの物語というより、今回のミッションに挑むのは"無理"だろうトム。といった感じ。
いやはや、トム・クルーズに"不可能"はない。彼の姿勢に打ちのめされました。

また、登場人物が暴れまわれるよう邪魔にならない簡潔なプロット、にもかかわらず、しっかり見応えがあるストーリー、ウィットに富んだ表現、これらのバランスもなかなかのものでした。

今回は4DXにて鑑賞しましたが、カーチェイスシーンは最高。風と振動があるだけで、ずいぶん臨場感が増します。バカにしていた自分がバカだったと思い知らされた素晴らしい体験でした。
生永這人

生永這人