Yukiko

消えた声が、その名を呼ぶのYukikoのレビュー・感想・評価

消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)
4.0
2016年12月22日  アマゾンプライム
『消えた声が、その名を呼ぶ』
監督、ファティ・アキン。
『ソウル・キッチン』という映画も撮っている。

オスマン帝国って、かっては東ヨーロッパから中近東、北アフリカを含める
大きな領土をもつ国だったが、17世紀末頃から徐々に衰退し、
第一次世界大戦時に挽回を図って参戦したが、イギリスに負けた。
1924年に領土のアナトリアから新しくトルコ民族によるトルコ共和国に
取って代わった。

1915年の話。
アルメニア人というだけで強制連行され、そして大虐殺が行われた。
被害にあったのは100万人とも言われる。

主人公の一家はオスマントルコのマルディンに住んでいた。
オスマントルコはそもそもイスラム教。
一家の父親はアルメニア人で、キリスト教徒。

主人公は他の家族から引き離され、強制労働をし、その後虐殺されようとした。
首をナイフで突かれ、それにより声を失うが、その加害者の良心により
助けられ、一緒に逃亡の手助けをしてくれる。

行く先々で人に助けられながら、家族の情報を得て、義理の姉の死にも立ち会う。
ここまでが凄く悲惨!
悲惨過ぎて観るのが辛くなった。

双子の娘が生きていて、結婚を機にキューバに行ったというその報せに、
乗船した船で仕事をしながらキューバへと旅立つ。

そこで、娘たちは結婚を断られて、仕事をする為にアメリカに渡ったという
情報を得る。
主人公の父親は、お金を都合し、盗み、アメリカへ。

・・・そして、娘に出会う!!

という大まかな話の流れであるが、生きていくって大変!!!!
中近東では未だにこういう死と隣合わせの人生を送っている人が
いたりするのだろうか。

アルメニア人の難民キャンプ場のテントでの悲惨な様子は、
とても目にしてられないような・・・・悲惨過ぎる。
リアル過ぎる。

何度も再生を止めて、続きを観ようかどうしようかと考え考え、
結局最後まで観たが・・・

主人公はラストで娘と再会はしたが、双子の一人は寄生虫が原因で亡くなり、
残った娘は片足が悪くなった。
足が悪いという理由で、結婚も断られた。
主人公は声を失った。

トルコ帝国がアルメニア人虐殺をしなければ、このようなこともなく、
この一家は平和だったかも。

映像はきれいであり、壮大な風景を映していた。
埃っぽい砂漠地帯をリアルに映していた。

観終わって、なんだか空虚・・・・
Yukiko

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