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さよなら、人類のibukiのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
4.8
ロイ・アンダーソン作品は、ほんまに一切頭を使わずただただ映像に身と心を委ねれる。

最新作の"ホモ・サピエンスの涙"観た時に強く感じた、羊水に浸かってるような心地よさと、母性?もはや神視点?それか原題の枝に泊まる鳥視点?わからんけど暴力的な優しさで織りなされるこの映像詩…!😭

実際の人間関係では、普通な人もしくは愛すべきポンコツ的な評価をもらえることが多いけど、内面は勝手にこじらせて自爆して、全てを壊してしまいそうな自分に常に病的な劣等感を抱いてる、でも誰よりも人間いや人類のことが大好きで仕方ない俺にとって、ほんまに優しくて潰れるぐらい抱きしめたいような映画。
優しさ、悲しさ、馬鹿らしさ、全てが純粋なまま現実社会に飛び出そうとしたら、それはもうみんなの言う"シュール"を以ってしか描かれへんのやとおもう。
俺はやっぱこういう作品でしか人間の温かみに触れることの出来ない、薄情な人非人やと悲しくはなるが、ほんまに涙が止まらんかった。

バーのシーン、60年来の常連の耳遠いおじいちゃんから一気に戦時中にタイムスリップして、ロッタが歌いそれに兵隊さん達が呼応するとこ、3回観たけど3回とも号泣してもうた。

あとはヨナタンにめちゃくちゃ感情移入した。
靴に入った小石をとる女の子をみて、ステキだったっていうヨナタンにものすごくあったかい気持ちになった。

たのむからもう一本撮ってほしい!
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