アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

さよなら、人類のアベラヒデノブ0阿部羅秀伸のレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
4.1
シーンで区切ればワンシーンワンカットのみ。
動きを最小にとどめ、まるで絵画の世界に存在するかのような人々のお芝居は、滑稽で可愛らしげがある。
そんな絵画のような世界の中、時に大きなアクションを巻き起こす人物には、滑稽なダイナミックさが伴う。
滑稽で可愛らしいのだが、この物語に奇跡は起きない。
荒唐無稽な設定のようで、残酷無慈悲なまでのリアリズムと皮肉が込められている。
歴史上の事実から僕たちは逃れられないが、真夜中の哲学しかり、捉え方ひとつで世界はいとも簡単にひっくり返る。
個人的にはそんな清々しいラストシーンと、小鳥の囀りは、我々人類へのスカッとした嘲笑のようにも思えた。
ネタバレなんて無い。素晴らしいと思った。