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さよなら、人類のmのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
4.0
人生とは儚く美しく、醜い。それでも明日はまた来る。ロイ・アンダーソン監督が描く人生の縮図。美しく見せながら酷いこともする、人生を語らせたらピカイチでは?と思わせてくれる作品。

いや、好きですね。ロイ・アンダーソン監督ファンになりました。どうやら三部作の様で知らなかったのだけど私が観たのは『散歩する惑星』と今作で二作品目です。どちらも人間の不可思議さ面白さを描いていて監督は、人間愛に溢れた方なんだろうなぁと勝手に思った。

今作は面白グッズを売り歩くサム(ニルス・ヴェストブロムさん)とヨナタン(ホルゲル・アンデションさん)を軸に不可思議なことが起こっていくストーリー。
凄く感じたのは出てくる人間すべてが、自分勝手だということ。セクハラをする人や自分の生い立ちを話して仕事をしない人や、どこか不器用で生きづらそうな人たちを描いている。それが誇張はあれど、人生ってそういうことあるよね、と言いた気に見えて妙に感情移入してしまった。

また戦争やジェンダーの問題、歴史の闇、人間の愚かさにまで切り込み、シュールながらハッとさせられるシーンがある。

自分勝手で自己中な人間たちがそれでも他者とのコミュニケーションを取りたくて頑張る様はまさに人生。
そしてサムはヨナタンに言う「一人じゃ寂しい。一緒に生きよう」と。誰かを求めているそれも人生。
ラストはまた水曜日。なにが起ころうと人生は続く。

ストーリーもさながら、映像も素晴らしい。唯一無二の監督さんです。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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