うえびん

さよなら、人類のうえびんのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.8
人間にまつわるエトセトラ

2014年 スウェーデン作品

『ホモサピエンスの涙』のレビューの最後に
“クセになるかも…”と書いたロイ・アンダーソン監督作品

コミカルでシニカル
絵画のようで詩的な映画
面白いでもつまらないでもなく興味深い
明るくも暗くもなく靄がかかった独特の感じ

人間

泣いたり、笑ったり
歓喜に湧いたり、悲嘆にくれたり
独り孤独を感じたり、他者との絆を感じたり
今日も明日も明後日も
生きていく、そして死んで逝く

人間と社会

大人と子ども
男と女
王様と市民
白い人と黒い人
雇う人と雇われる人
スウェーデン人とロシア人
虐げる人と虐げられる人

属性の違いが力の不均衡を生む
“人”対“人”の喧嘩と和解
図太さと繊細さ
“国”対“国”の戦争と和平
意気揚々の進軍、意気消沈の退軍
無くならい争いは人類の性か

人間の想像力

「元気そうで何より」
「元気そうでよかった」
大切な人を想い、幸せを祈るのは万国共通か

人間の創造力

空間と時間
過去と未来
共時性と通時性
この世とあの世
記憶と忘却
思考と感性

考えても分からない
だけど何か深いものを感じる
感性の共鳴
これも人間の特性だろうか

“クセになるかも…”は
“クセになりそう…”になった。
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