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さよなら、人類のksのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.9
ホモ・サピエンスの涙がとても良かったので、ひとつ古い作品へ遡ったんだけど、さよなら〜は3部作の最終章なんだそうで、こりゃ順番間違えたかも……と思いましたが多分逆さまから見ても大丈夫(だと思)

避けられない「死」を軸に、その周りに肉付けされたあらゆるうまくいかない「生」を淡々としかし独特の色彩をもって画面に固定させる手法には執念すら感じるし、この映画に描かれる不条理はどれも作り物めいているとはわたしには思えなかった。目を凝らせばすぐそこにあるものだらけで。
人間讃歌、みたいな分かるようで分からないふんわりした言葉でまとめられるの嫌だな〜と思いながらトレーラーを後から再生した。

映画の最初から流れる音楽がやたらチープで、なんだか教育番組でも見てるみたいだなあ……と困惑しつつ、博物館の客を観察したもう次にはいきなり人が自宅で死ぬ。ダンス教師が教え子にセクハラはたらくやつは毒がきついですね(そこらへんは後から出てくるカール12世の場面と対になる感じで)
なんかね、人の愚かさをあからさまに「愚かですね!おかしいですね!」と出されるとそんな単純でええんか……と真顔になってしまうんだけど、愚かは愚か、滑稽は滑稽、を真正面から切り取ってくれるやつは好きだしずっと頭に残る。今作は後者。

あと本当にスマートフォンの画面で見るのには向いてない映画。アナログのセットや美術が全部潰れる。もったいない。
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