Ryu

ドリーム ホーム 99%を操る男たちのRyuのレビュー・感想・評価

3.6
母と息子と暮らすデニス・ナッシュはリーマンショックによる不況でローンを払えなくなり家を差し押さえられた。家を取り戻すため、家族を守るために自身の家を差し押さえた張本人である不動産屋のリック・カーヴァーの元で働きはじめる。

あんまり馴染みのないお話だったので、決めつけて話すことは出来ませんが、全体的に主人公はちょっと感傷的になりすぎたのかなと思いました。そりゃデニスの気持ちは分かるし、リックのやっていることはまさに生き血を吸うようなことで非常に腹立たしいんですが、差し押さえられる側に落ち度が全くないとは言えないと思います。日本人の感覚からしたら今までが贅沢しすぎなんだと思っちゃいます。
主人公の人の良さ故の葛藤は見てて非常に辛いものがありましたが、そこまで深刻にならなくても…って思いもあります。描き方は差し押さえる側が悪者として描かれているんですが、もうちょい両方も側面も描いてくれていたらもっとよかったかなぁという印象を受けました。その悪者も最後はまさかの方向にいきましたし、主人公の感傷的なのはまだしも、リックには最後まで貫いて欲しかったという思いもなくはないです。そこはやっぱり頭のいい人だからこそあのように落ち着いていられるんでしょうね。
後に戻れなくなっていき悩むンドリュー・ガーフィールドと悪徳臭全開のマイケル・シャノンの演技もとても素晴らしいものでした。デニスはめちゃくちゃ可哀想になるし、リックにはめちゃくちゃムカつく。この2人の演技合戦も非常に見応えがありました。
話の中身の部分についての知識は皆無なので、理解が及ばないところもありましたが、中々ヘビーなところを突く鋭さを持った作風だと感じました。
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