絶えず何かに追われているような落ち着かなさを感じる作品だった。
そして、アクション映画でも無いのにアンドリュー・ガーフィールド、マイケル・シャノンの演技合戦に終始 手に汗握る。
勿論、ローラ・ダーンも良かったけれどアンドリューとの親子設定は、正直 最後まで違和感でしかなかった。
リーマンショック後の社会問題を鋭く描いた本作。住宅ローンが払えず立ち退きを余儀なくされた主人公が、立場一変 不動産業者のカーバーに雇われ今度は立ち退きを迫る側となり悪徳ビジネスに手を染めて行く…
密着ドキュメンタリーさながらの退去命令のシーンは、ブレた映像を含めてリアル過ぎて理不尽極まりない。血も涙もないってまさにこの事、真面目に生きてる人にこの仕打ちはあんまりだった。
まんまな邦題が安易すぎるけど、つまるところ家は単なる箱に過ぎず、大きさや豪華さではなく、誰と暮らすか、そこで誰と思い出を紡ぐかという事。当たり前だけどそれを守るのは国であり政治でもあるはずなのに……
徹底したリアリズムで、ある時期のアメリカ社会を描いた見応え作品だった。