せーや

チャップリンからの贈りもののせーやのレビュー・感想・評価

3.0
チャップリンの遺族、よく全面協力したなぁ。

1977年12月25日。
喜劇王チャールズ・チャップリン死去。
スイスに住むオスマンは妻の医療費が払えずにいた。
そんな彼のために、親友エディは
チャップリンの遺体を誘拐し身代金を要求するという
無謀な計画を提案する。

実際に起きた事件の映画化。

だいたいこういう実話系映画には
「事実は小説よりも奇なり」的なものが選ばれたり
もしくはかなりの脚色がされているものなんですが
この映画はストーリーが物凄く単調。

妻の治療費が払えない→チャップリン死去
→チャップリンの遺体を誘拐して身代金要求
→もちろん逮捕

というそれだけのストーリー。
映画として何か盛り上がるところがあるわけではない。

しかし、その単調なストーリーをカバーするのが音楽。
「ライムライト」のアレンジや、サイレント映画にありそうな
音楽を使用することで、どことなく懐かしさを味わえる。

そしてチャップリンの作品を見ていれば
なんとなく「ああ、チャップリン意識してるなぁ」と
思えるようなシーンやキャラクターがたくさん。

音楽やラストシーンは「ライムライト」
オスマンたちの住むところは「モダン・タイムズ」
といったように、オマージュというより
もはやパロディではないかというレベルのシーンが。

基本的に単調な映画ではありますが
チャップリン的な映画ではあるかと。
そもそもチャップリン誘拐をコメディ的に描くのだから。

チャップリンを知らないで観ていると
全く面白くない作品なのかもしれません。
せーや

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