きぬきぬ

ニクラスハウゼンへの旅のきぬきぬのレビュー・感想・評価

ニクラスハウゼンへの旅(1970年製作の映画)
3.8
テアトリカルな舞台装置でアングラ演劇的。
作品を見る度にそのアプローチのアナーキーさに舌を巻く。
虚構で形成されていく物語の思想も、理性的な薄ら寒さも黒い。労働者は所詮操り人形ということか。巡礼する、第三者的視点を置いた彼らは結局何者?!
カリスマ的青年はキリストのようで、貧しき者や若者の扇動者となるが傀儡であるのみで、聖母マリアの代わりはハンナ・シグラ。過激派には実存が無く、権威の象徴であるマザコンで男色家の堕落した気弱な司教により葬りさられる。
カリスマがもたらすものに結局意味はないのか。

ヒッピーの様な若者像とクラウトロックも印象的!
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