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あやつり糸の世界のTaTのレビュー・感想・評価

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)
3.5
仮想世界を作った学者が実は自分が生きている世界も仮想世界だったと気づく話。
「アルファヴィル」「惑星ソラリス」と並び称されてるけど、そこまでは及んでなかったな。そこまでの作品ならとっくに世に出てただろうし。

デカルト、アリストテレス、プラトンを引き合いに出していても、なんだかそんなに哲学してなかった印象。    
今生きている世界は表象で、不確かな自分の存在を問うっていうコンセプトは至る所に置かれた鏡が伝えてくれたけど、重みがないんだよな。

真実を知った主人公が上の世界から狙われて逃避行する下りもいらねって思ったし、メロドラマ的ラストには3時間半を返してくれってなった。
階層を描いた物語なら「インセプション」のラストの方がまだ優秀。
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