不在

第三世代の不在のレビュー・感想・評価

第三世代(1979年製作の映画)
4.6
作中で引用されるブレッソンの『たぶん悪魔が』とタルコフスキーの『惑星ソラリス』は、一つの考えに囚われた者の内面を描く内省的な作品だったが、今作は自己よりも社会に答えを求めるいわば"外"省的とも言える作品だ。
腐敗した政府や環境破壊などの社会不安を自身に向けた『たぶん悪魔が』のシャルルも、ある種自己に対するテロ行為だった。

ファスビンダーは登場人物全員を嘲り、唾を吐きかける。
裏で糸を引く男、口達者なピエロ達。
嘘と欺瞞で象られた、究極のニヒリズム。
不在

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