Donatello

ドローン・オブ・ウォーのDonatelloのレビュー・感想・評価

ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)
3.6
今や戦争映画は元よりアクション映画全般ですら欠かすことの出来なくなった兵器・ドローン。
かつて映画にでてくる兵装的な単語で1番多用されるものと言えば「M16」だったんじゃないかと思うのですが、昨今では「プレデター」だの「リーパー」だの「グローバルホーク」だのと普通に機体名出てきますからね。
もし20年前の自分が「プレデターを出撃させろ」的な台詞聞いたらきっと違うこと期待したと思います。違うことが何かは敢えて言及しませんが。

そんなドローンのパイロットに焦点を当てた、「いつかは誰かが撮ると思ってたけどこんな話にするとは思わなかった」的な作品がこちらですね(良い意味で)

一応『ドローン 無人爆撃機』なんていう映画もありますが、監督・キャストともにこちらの方がお金掛かってます。金掛ければ良いってものでもないですけども。

題材は思いついたとしてもそれをどう描くかコレが意外に難しいと思うわけですが、実際に戦場に行かなくてもPTSDになってしまう「楽なお仕事のように見られるけど正直本当は辛いのよ」的なスタンスで描かれた本作は凄く興味深い。
まぁどう考えたって通勤30分でいきなり緊迫した戦場に投入されても困りますからね普通に。

ドローンパイロットが出てくる映画自体はありますが、そのルーティンまでを描いた作品は珍しいので、戦場で野営をする部隊の周辺警戒監視を頼まれたりするシーンなんかは、こういう映画ならではの描写じゃないかなと。

そんなパイロット役をイーサン・ホークさんが演じているわけですが、操縦桿を握る姿が想像できなかったその配役に懐疑的だったんですけども、原題になってる台詞"good kill"とは言いつつも苦悩する姿は流石イーサンさん。

またそんな主人公の奥さん役ジャニュアリー・ジョーンズちゃんが『X-MEN: フューチャー&パスト』の時の下着姿ほどダイレクトではないけど、無駄にセクシーさを醸し出す雰囲気はなかなかです。だから若干評価が高いわけではないです。

奥さんが浮気してるかもしれないと疑い始めたあたりで「ひょっとしてまさか浮気相手と疑う同僚もろともドローンで攻撃する話」に発展しちゃうんじゃないかとビクビクしましたが、そんなこたぁなかった。

ですが、アンドリュー・ニコル監督が得意そうな題材かと思ってもう少し期待したのに、ラストの処理がなんだかテキトーな感じでもうちょっとなんとかならなかったのかと思うので、なんならやはり攻撃しちゃう狂気のドローン・パイロットものにしても良かったんではないかと思うところ。

ドローンが暗躍する話は『トップガン2』(公開未定、本当にやるのかすら未定)に期待したいと思います。
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