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幸せをつかむ歌の小のレビュー・感想・評価

幸せをつかむ歌(2015年製作の映画)
3.3
夢と家族、勝ち組と負け組という対立構図。ロックスターを夢見て、家族を捨てた母親。残った家族は後妻がいて、かなりお金持ちなのに対し、母親は破産し、スーパーのレジ打ちで何とか生計を立てている状況。そんな母親と家族が、離婚した娘の心のケアを通じて絆を取り戻し、後妻ともなんとなく仲直りした雰囲気を漂わせ、ハッピーエンドみたいな。

離婚で精神的に不安定な状態となった娘だったけど、後妻が親族の病気とかで実家に帰ってしまい(詳細失念)、ケアする人がいないからと、元夫から面倒をみるよう頼まれる。ひどく嫌っていた娘とようやく距離が縮まったところで、帰ってきた後妻になじられ、失意のどん底に落ちる母親。そんなところに、次男(多分)の結婚式の招待状が届き、母親の恋人の粋な計らいもあって、さあカタルシスの準備は整った。

自分的にはリアリティがイマイチで、入り込めなかった。母親が夢を追いかけ、家族を捨てた際のストーリーが不明だから、何故、関係が修復したのか、よくわからない。母親と家族のぬるい関係も個人的には居心地が悪い。これが人間関係の妙なのかもしれないけど、だとしたら自分はこういう潔さのない関係は好きではないのだろう。

家族の絆を描いたヒューマンドラマだけど、見方を変えれば、夢見た負け組の失地回復。アメリカを代表するらしい女優を起用している映画であることを踏まえると、夢見た負け組、やっぱり多いのかアメリカ、というのは考えすぎかしら。
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