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幸せをつかむ歌のmitoのネタバレレビュー・内容・結末

幸せをつかむ歌(2015年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

メリル・ストリープ主演。

夢のために家族を捨てた女性が、
娘の離婚をきっかけに自分を見つめ直す映画。

主人公の立場や性別は真逆だが、
女版ダニーのような内容。

アル・パチーノ演じる歌手は富と名誉を得ていたが、
メリル・ストリープ演じる歌手は売れないまま、自己破産手続き中という、完全に崖っぷち人生を送っている。

男性が女房子供を捨てて逃げる事に比べ、
女性はお腹を痛めて産んだ子供を捨てて逃げるという事の方がタブー視されるのと同じ事がこの映画にも起き、

ダニーよりも彼女は辛辣に批難される。

…のだけど、
流石に主人公が一方的にやられ過ぎて、周りの人が嫌な奴に見えてしまうのは残念。

特に元夫の再婚相手と次男の婚約者。
冷静に考えると、やってる事はそこ迄酷くない筈なんだが、
映画の中ではダメ人間設定の主人公以上に非道い奴らに見える。

婚約者はロックスタイルの主人公にどん引き。これはまあ普通の演出なんだが、その後、実は結婚式を近々開く予定でそれを主人公に隠そうとしていたことが分かる。
その前に何もなければ素直に「親認定されてないんだな」と思えるが、
どうも、次男は母親の事結構好きらしい。じゃあ、誰がよびたくないんでしょうね…と勘ぐってしまう。
ラストの結婚式の主人公への招待客の視線や発言による仕打ちも更に追い打ちになっている。

個人的にはそれのせいで、
ラストのラスト、祝の意味で主人公がバンドと共に歌い出したら、最初誰一人呼応しないが、次男と嫁から始まり、次第に皆踊りだし、最後は大盛り上がり!、という普通の演出が「何、この結婚式…客盛り上げる気無いじゃん。俺、こんな嫌な親族や友人ばかりの家庭だったら願い下げだわ」と思ってしまった。

長くなったので再婚相手の事は省略するが、彼女も明らかに自分も大人気無い態度だったのに、上から目線で主人公を許している感じがしてイラッとした。

この映画は子供達が実の母親である主人公を嫌いじゃない、寧ろ好きだ(長男以外)という場面や発言が多いのが、あべこべになっている原因だと思う。

まあ、コレだけ文句言ってるけど、本筋は普通に良い映画なので、この感想は参考にしなくて良いです(笑)
個人的にもつまらなくなかったです。寧ろ楽しんだ。
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