skm818

幸せをつかむ歌のskm818のレビュー・感想・評価

幸せをつかむ歌(2015年製作の映画)
3.9
娘の離婚にいちいち親が出てくるか?(←娘を捨てた男に2人揃ってカフェでねじ込む)とは思ったが、まあどこの国でも子煩悩な親ってこんなもんなのかも。
離婚した娘と揉める話かと思ってたんだが、娘との話は前半で終わり、後半は息子の結婚式に出るかどうかというような話に。自分の夢を追いかけて家を出て行った母親の話なのね。
元夫の家は中西部の富裕層地域の金持ち邸宅といった感じで、付き合う世界も皆そんな感じ。メリル・ストリープ演じるリッキーは明らかに浮いている。佇まいだけでいたたまれない感じになるその浮きっぷり。そこまでジロジロ見るか?って思うんだけど、上流階級の人ってこんなもんかも。
家族で言い争ったりする場面は痛々しかったが、基本皆いい人だった。別れた妻のリッキーにも優しい元夫のピートや、保守的な田舎に生まれ育ったのにゲイの息子など、実は家族もちょっとずつ「普通」とはずれてるんだと思う。多分他の人たちもそうなんだろうなあ。
リッキーはブッシュに投票したりするくらいだから政治的には右っぽい価値観の持ち主なんだろうけど、それでも息子はゲイだし、自分は家族を捨ててロックだし、同じようなことをしても女性だけが責められることに憤ってるし、バンドにはアフリカ系や先住民の人がいる。ピートの後妻はアフリカ系だ。保守的と言われるコミュニティでもこれだ。政治的な立場どうたらというのと個人の選択はまた違うしな。
最後のリッキーの歌で皆が踊っちゃう場面も良かった。同じ監督の「レイチェルの結婚」思い出した。こういうの見ると、米国すげえと思っちゃう。いろんな人が、立場とか価値観とか生活レベルとかライフスタイルとか階級とか人種とか、いろいろあっていろいろいるけど、ぶつかり合いながらもやっていける、やっていこうとする意思みたいなものを感じるんだよなあ。きれいごとかもしれないけど、そういうところに関してすごく前向きな感じというのがいいと思う。
朝からメリル・ストリープのどアップは辛いものがあったが、こういうのは慣れですな… グレッグ役の人、カッコイイと思ったら、リック・スプリングフィールドだったでござる。
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