なっこ

幸せをつかむ歌のなっこのレビュー・感想・評価

幸せをつかむ歌(2015年製作の映画)
2.8
もしも、これが子どもの視点から描かれたアメリカの現代家族の風景であったなら、ありふれたフツーの映画になっていたのかもしれない。

ゲイの兄貴に、もうひとりの出来の良い兄にはいけ好かない出来た彼女、末っ子の私のうまくいくはずだった結婚は簡単に壊れてまるで失恋のような嵐の離婚劇に撃沈…セラピー通い。

そんな家庭と子どもたちを捨ててまで、選んだ母親のロック人生ってどうなのよ?って、ちょっと顔出せ、ってなるのがフツーの展開。
だけど、これはそんな母親の視点からこのツギハギ家族と夢を追った自分自身を描いてる。そしてもちろん最後はうまくまとまってハッピーエンド。

なんてったって、メリルストリープの弾き語りが素敵!ああミュージシャンって役はズルいよね…あんな風に囁くように歌われてしまったら、全部を赦してしまいそう。

アメリカンドリーム、LGBT、ステップファミリー、回数ばかりかさむセラピー、
アメリカらしさをそれなりに切り取って、ラストはロックンロールで終わる。

この実は何にも解決していない喜劇感が実は悲劇なのかも。
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