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予告犯のkuuのレビュー・感想・評価

予告犯(2015年製作の映画)
3.6
『予告犯』
映倫区分 G.
製作年 2015年。上映時間 119分。
高度情報化社会におけるテロリズムを描いた筒井哲也の同名コミックを、生田斗真&戸田恵梨香共演で実写映画化したクライムサスペンス。
『白ゆき姫殺人事件』の中村義洋監督がメガホンをとった。
共演に鈴木亮平、濱田岳、荒川良々、坂口健太郎
、窪田正孝、小松菜奈、田中圭、滝藤賢一、小日向文世など、カメオではレッドクァンタムのCMモデルに菜々緒が出てたし、名高達男久しぶりにみた。

ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯『シンブンシ』の捜査を開始。
シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。
その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。
ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。

彼らにとって崇高な目的がたとえあるかもしれないが、予告犯『シンブンシ』の犯行は反抗と云えるんか。
確かに、現実社会でセクハラ野郎やボンクラども、歯痒い奴らに一泡ふかせるのを見るのはスカッとする。
フジテレビ系列『痛快TV スカッとジャパン』を初めてみたときは確かにそう感じたりした。
しかし、何度か観てるとゲップも出てきていつしか観なくなった。
その問題は当人たちの問題であって(社会的な問題になろうと結局は当人同士の問題)やし訴訟なりを起こすしかない。
仮にセクハラ野郎をスカっと私的に制裁を加えてスキッと爽快したとて、その瞬間から加害者のセクハラ野郎は被害者に変わる。
確かにセクハラは許されない。
しかし、公然で笑い者にしたり社会的制裁を受けるのはいち本人で終われば良い。
学生時代なら同級生に嘲笑されたら学校所でない。
実際、社会的な制裁を受けての裁判判決は、それを考慮して減軽される。
社会は甘くない。
セクハラ野郎が悪いとて、攻撃の魔の手は本人を含め家族やら回りの人にまで及ぶ社会的制裁の怖いとこ。
以前、手紙で薫陶を受けてた東アジア反日武装戦線の故大道寺 将司 氏もその点は嘆いてた。
その事を踏まえて崇高な目的のがあるのなら、その目的だけにターゲットを絞ること。。。
何をマジに書いてんだか。
そんな事を抜きにして、フィクションなんだと見ると面白い作品でした。
また、個人的に生田斗真と荒川良々、濱田岳、そして鈴木亮平など好きな俳優目白押しで楽しめました。
原作の漫画も、刑事施設に入ってる先輩の差し入れリクエストされてた本でしたので、三巻買い、送る前に読んでいました。
今作品は個人的には原作漫画より、スリリングで怖く、サスペンスフルに描がかれてると感じました。
ダーク感は漫画の方があったかな。
また、原作と今作品はミステリアスで、悲しく、ハートウォーミング(生田斗真と鈴木亮平、荒川良々とかがお互いの壁を崩し仲良くなるシーンなど)なとこもあり、高揚感も多少感じれましたよ。
さまざまな言葉でこの映画を表現することができると思いますが、それらは崇高とは呼べないかな。
最初は暗い雰囲気で始まるが、2幕、3幕を通して変化が起こる。
最初は、多くの視聴者が主人公の刑事吉野 絵里香(戸田恵梨香)とポリスたちが冷徹な犯人を捕まえるのを応援する。
しかし、だんだん犯人たちのことを知り、彼らの本当の目的を知り、混乱する。
このように、雰囲気だけでなく、敵対する者たちへの気持ちの変化により、彼らに対する理解や思いやりと云った別の感情も生まれる。
そないな意味では良くできたシナリオと云えるかな。
今作品は『SAW』や『デスノート』みたいな雰囲気を感じるが、こちらは正直、最後7分泪がでました。
メッセージ性としては悪くないのを送っているのも確かかな。
面白いプロット、善き演技、撮影、ストーリーテリングそしてユニークなキャラと、面白い作品でした。 
『人は常に躓く他人をも助けるべきである』
小生も出来てはいないが常に行動してる。
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