メイプルわっふるG

高慢と偏見とゾンビのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)
4.5
監督、天才か。
最低限のエピソードで『高慢と偏見』を忠実に再現、且つゾンビ映画に仕上げている。
気づけばニヤついているため、ずっと顔を隠しながらの鑑賞に。

量産ゾンビ作品ではなく、原作リスペクト&エンタメ特化された良質な娯楽映画。
・美男美女が勢揃い。作品群ではトップの美貌率。
・衣装は伝統よりも見た目重視(ややファンタジー)。
・ロケ地や調度品のこだわり。まっとうな大作レベル。
いずれも気合いの入りようが半端ない。
原作以外での設定も、死肉バエ、対ゾンビ武術、高い防壁などなど、ネタが尽きない。

パロディを楽しむもよし、今作で名作の概要を知るもよし。
どちらにせよ映像美だけでも楽しめるし、見ておくと『高慢と偏見』ネタがわかるようになる?かもしれない。お得。


元ネタで見たことがあるのは、
コリン・ファース版の英国ドラマ
キーラ・ナイトレイの『プライドと偏見』
6年後を描いた『高慢と偏見、そして殺人』
の2.5作品?
当然というかミーハーというべきか私の中でのイメージはコリン・ファース版。贔屓目かもしれないけれど、今作のダーシー&ビングリーもコリン・ファース版を意識した表情や立ち居振る舞いだったように思う。

クズ男ウィカムが有田哲平さんに似ていて笑い。
大富豪キャサリン夫人が眼帯の最強戦士で大ウケ。

ただ、見目が良くなったせいで自己中ママと空気読めない牧師さんのアクの強さがやや軽減。エンタメ特化の弊害とも。
同様に、器量よろしくない(設定の)三女もメガネ美人に昇華。まぁ美人五姉妹の方がバトル(見どころ)も着替え(必須)も姦しさ(大事)も映えるのだから当然のキャスティングなのだけれど。

というかコレ、そもそもがパロディ(娯楽)優先の映画だった。
いつの間にか作品群の1本と見做していたことに驚き。それくらい原作へのリスペクトを感じる出来。

エンクレでわらべ唄再び。ヨシ。


2021.03.11 ザ・シネマ
特集:3月10日は(勝手に)ゾンビ記念日 新旧ゾンビ映画セレクト放送