ノラネコの呑んで観るシネマ

キャロルのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.7
切なく心にしみる映画だ。
舞台は1950年代のニューヨーク。
エレガントな大人の女性キャロルと、まだ初々しい蕾のテレーズ。
対象的な二人は共に人生の岐路に立っており、運命的に出会うと急速に惹かれ合う。
社会が今より同性愛に不寛容で、男たちが女性の人生を自らの付属品の様に扱っていた時代。
テレーズの純粋に相手を想う気持ちと、既に築き上げた家族との間で揺れるキャロルの葛藤。
偽りの人生への圧力が、二人の愛を翻弄する。
これは二人の女性が、魂の牢獄から自らを解き放つ物語。
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラーが素晴らしい。
観客をトリップさせるゴージャスな映像と、心を揺さぶるウェットな楽曲。
これぞ映画である。

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