うえびん

キャロルのうえびんのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.7
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず

2015年 アメリカ作品

1950年代のニューヨーク
セットも衣装も小道具も
一場面一場面
映像が美しい

ストーリーも音楽も
ゆったりして心地いい

立派な庭園に咲く
絢爛豪華な花のような
キャロル(ケイト・ブランシェット)
妖艶さも滲ませる

道端に咲く
可憐な花のような
テレーズ(ルーニー・マーラ)
儚さの中に芯の強さも感じさせる

美しく咲いた花と花
出会った瞬間に芽生えた何か
眼と眼が合った先に散る火花

毎年、繰り返し同じように咲き誇る花
時と共に移り変わる人の身や心
家族や社会や国の情勢

妻として母として悩むキャロル
夢を追うテレーズ
二人の間に距離があく

花は散り
時を経てまた花を咲かす

身と心が変わっても
二人の間で変わらなかった何か

今は昔

同性愛が「禁断の愛」と呼ばれた
時代だからこそ
それは鮮明に浮かび上がる
うえびん

うえびん